1.講習会の趣旨
設計者は常に「不確実性」に悩まされているのではないでしょうか.製品やシステムを設計するうえでは,多くの不確実性が存在します.例えば,寸法や材料成分のばらつきから,サプライチェーンの不安定,使用環境の多様性,想定外の自然災害など. 本講座では,それらの「不確実性」に対して,頑強,かつ,できるかぎり安定的な機能を確保するための,設計の知恵や工夫,最新の手法などについて,数式を極力用いずに,概念として紹介していきます.
(1)設計の難しさと魅力
設計という人の創造的な行為の難しさとその魅力について,デザイン科学の立場から解説します.そして,その難しい設計行為を,設計者の皆さんは日頃,どのように日頃行っておられるかについて,科学的に解説します.
(2)熟練設計者の頭の中にある知恵
設計のノウハウは,経験を積み重ねることで,蓄積していくことが一般的です.そのため,それらのノウハウの多くは,暗黙知として,熟練設計者の頭の中にあります.ここでは,その暗黙知の一部をわかりやすい形式知として紹介していきます.
(3)設計の単純化
大規模化・複雑化した製品やシステムの構成を単純化することで,安定した機能や品質を確保するための設計上の視点を紹介します.さらに,それを容易に実現するために「グラフ理論(ISM)」を用いる手法についても紹介します.
(4)最適化とその功罪
「形状最適化」,異なる位相を導出する「トポロジ―最適化」,さらに不確実性を考慮できる手法を概念的にわかりやすく解説するとともに,その効果を説明します.併せて,設計の現場にて,それらの手法を用いることで陥りやすい問題についても,紹介していきます.
(5)2つのロバスト設計
「不確実性」には,内乱と外乱があります.ここでは,内乱を中心にした従来型の「品質工学」に加え,多様な使用環境・条件である外乱に対応可能な,新たな「多様場対応型ロバスト設計」の手法を概説します.
(6)素性の良い設計とは?
「素性の良い設計」という表現をよく耳にします.確かに,「素性が良くない」といわれる設計の場合,その後の不具合対策や改善をいくら行っても,良い結果を繋がらないことが多いのではないでしょうか.ここでは,「創発」の概念から,「素性の良い設計」について,皆様とともに考えていきます.
3. 講師:松岡由幸(慶應義塾大学 名誉教授 / デザイン塾 主宰)
日産自動車にて,ローレル,セフィーロ等の乗用車を開発後,商品開発本部にてスカイラインの設計取りまとめに従事.慶應大に移籍後,実務経験を活かしてデザイン理論・方法論を研究し,現場に有用なデザイン科学の構築を進めた.
2.日時:
2026年10月14日(水)9:00-12:00
3.実施方法:Zoomによるオンライン開催
4.参加費(参考書代と郵送代3,730円を含む)):
学会員(共催学会)5,000円
非会員10,000円
学生4,000円
5.参考書:書籍『ロバストデザイン』を配布
※参加者全員に,ご指定の住所に送付いたします.
6.申込み:下記formsにて,お願いします.
https://forms.gle/fXBSKsmswufhBTCx9
締切り:2026年9月30日(水)
7.問合せ先:デザイン塾事務局
E-mail: mlabsec@googlegroups.com