~積層造形の特長を活かす設計をコンピュータで実現する~
1.講習会の内容
Additive Manufacturing(AM)とは,3Dプリンティングとして知られる積層造形法により部品や製品を製作することです。AMは除去加工や変形加工と異なり,材料を層状に積み重ねて立体造形するので,物体の内部に細かな加工をしたり,複雑な形状を成形したりすることが容易です。この特長を利用することで,これまで困難だった部品の一体化,軽量化,複数材料の利用などが可能になる例があり,その設計は,Design for Additive Manufacturing (DfAM)と呼ばれています。DfAMを効果的に利用した部品は,従来にない特性を有するので,既存製品を圧倒する革新的な製品につながります。
本講習会では,DfAMの概念と方法について,DfAMの実践に欠かせないコンピュテーショナルデザインと合わせて説明します。
2.開催の動機と講習会の特長
DfAMは比較的新しい言葉でありますが,従来より「3Dプリンターならではの設計」などとして注目されていました。DfAMによる設計例は欧米では多いのですが,残念ながら国内での実用例はあまり聞きません。その理由はコンピュテーショナルデザインへの馴染みが少ないからではないかと考え,これとセットで紹介するDfAM講習会を開催することとしました。
コンピュテーショナルデザインはコンピュータが設計することであり,3D-CADを使って人が設計をするデジタルデザインとは異なります。DfAMによる設計は,複雑な形状になりやすいことから,アイディアの生成から寸法の計算,モデリングの操作まで全て人が行うには,あまりに煩雑で困難な作業となります。そのため,コンピュータプログラムや人工知能(AI)の力を活用しておおよその形状を作成する方法が現実的な手段となります。
本講習会では,DfAMとコンピュテーショナルデザインを具体的な方法を含めて説明します。
3.講座の内容
① DfAMについて
AMの特徴,DfAMの分類,メタマテリアル,コンプライアントメカニズムなど
② コンピュテーショナルデザイン
ジェネラティブデザイン,アルゴリズミックデザイン,形態認知,美的好み,機械学習など
③ 実際の方法
DfAMの実践例(プログラミング方法,造形方法)
4.日時:2023年9月14日(木)17:00-20:00
5.実施方法:Zoomによるオンラインで行います。
6.講師
講師:舘野寿丈(明治大),加藤健郎(慶應義塾大)
7.参加費
学会員10,000円(協賛学会員を含む),非会員20,000円
学生会員・学生非会員5,000円
参加申込・問合せ
申込締切:2023年8月21日(金)
問合せ先:設計工学会事務局
E-mail: jimukyoku@jsde.or.jp