2024年度春研究発表講演会優秀発表賞,学生優秀発表賞
2024年5月18日(土)~19日(日)法政大学小金井キャンパスにおいて開催された春季大会研究発表講演会における講演聴講者の推薦投票結果に基づき,優秀発表賞3件,学生優秀発表賞3件が選定され,2024年9月21日(土),北見工業大学工学部で開催された2024年度秋季大会研究発表講演会技術交流会の席上にて贈賞式が行われた.(敬称略)
優秀発表賞
- 吉田 裕(北見工業大学)
講演:「透過X線回折を用いたMg合金薄板の弾性塑性遷移域の評価」 - 川上 忠重(法政大学)
講演:「2サイクル対向型ピストンエンジンの失火率および排気特性に関する一考察」 - 志村 穣(拓殖大学)
講演:「単素子ひずみゲージを用いた両縁き裂帯板の面外曲げ応力拡大係数解析」
学生優秀発表賞
- 大場 亮弥(埼玉大学・院)
講演:「歩容フィードバック訓練システム開発のための敵対的生成ネットワークを用いた目標歩容の生成」
指導教員賞:大澤 優輔(埼玉大学・院)
指導教員賞:綿貫 啓一(埼玉大学・院)
指導教員賞:楓 和憲(埼玉大学・院) - 長谷 川嵩(早稲田大学・院)
講演:「小型衛星に搭載可能な光学レンズの設計」
指導教員賞:宮下 朋之(早稲田大学) - 山口 寛太 (明治大学・院)
講演:「体幹傾斜機構と首部多自由度を有したヒューマノイドロボットの開発 (頭部,首部,上肢,体幹機構の設計と首部動作の検討)」
指導教員賞:加藤 恵輔 (明治大学)
2024年度 Valuable Publishing(VP)賞
武藤栄次賞Valuable Publishing(VP)賞は,設計工学の発展に寄与する価値の高い出版物の出版に尽力した者,すなわち企画,構成,執筆,校正などの実務に携わった者に,その功績を顕彰するために贈賞するものである.2024年度Valuable Publishing賞審査委員会(宮川豊美委員長)は,1件の出版物を選定し,2025年5月24日(土)開催の通常総会(日本大学理工学部船橋キャンパス)の席上にて表彰した.(敬称略).
受賞出版物:
「3Dでみるメカニズム図典 見てわかる、機械を動かす「しくみ」」
受賞者:
- 関口 相三(株式会社アルトナー)
- 平野 重雄(東京都市大学)
2024年度貢献賞
2024年度貢献賞は,永年にわたり日本設計工学会の運営と発展に継続的にご尽力いただいた貢献に深く感謝し業績を顕彰し,2025年5月24日(土)開催の通常総会(日本大学理工学部船橋キャンパス)にて表彰報告が行われ,下記受賞者3名に賞状が授与された.(敬称略)
- 野口 昭治(東京理科大学)
- 小野 栄治(富士屋鉄工株式会社)
- 高見 征二(元 武藤工業株式会社)
2024年度武藤栄次賞優秀設計賞
武藤栄次賞優秀設計賞は,企業や研究機関において開発された製品や装置について,独創性,設計における重要な工夫,社会的な波及効果,特許及び実用新案の取得状況を主なる審査基準として,個人あるいは団体に贈賞されるものである.2024年度優秀設計賞審査委員会(宮川豊美委員長)は,3件の製品を選定し,2025年5月24日(土)開催の通常総会(日本大学理工学部船橋キャンパス)の席上にて表彰した.(敬称略).
設計製品:
「AI軸力推定機能付微小ねじ締付用電動ドライバの開発」
設計者:
- 綿貫 啓一(埼玉大学)
- 富田 保士(株式会社バンガードシステムズ)
概 要:
本設計製品では,ねじ締め中に電動ドライバがセンシングしたトルクデータ,押圧等を機械学習することにより,M2以下の微小ねじの軸力を高精度に推定するAIを設計した.この電動ドライバ自体は,回転用モータおよび押圧用モータが同軸線上に配置され,ボールねじを介して接続されており,締付けトルクおよび押圧を連携して制御している.他社製品と比較すると,ステッピングモータを採用することで,ギアやクラッチなどの部品が不要となり,製品の高寿命,高信頼性を実現している.
設計製品:
「四ローラ式発射機構を用いた投球機の開発」
設計者:
- 酒井 忍(公立小松大学)
- 酒井 祐一(株式会社西野製作所)
- 池田 海都(公立小松大学・院)
概 要:
本投球機(ピッチングマシン)は,四ローラ式発射機構により,幅広い球速かつ直球やカーブはもちろん,従来の投球機では投球が困難であったボールの進行方向に回転軸を持つジャイロボール等の高度な変化球を含むすべての球種のボールを狙ったコースに投げ分ける高い投球性能を有している.また,人工知能を用いた投球制御システムにより,どんな投手のボールや投球パターンもすべて再現できる実践的な高性能マシンである.
設計製品:
「自動箱包み装置」
設計者:
- 吉氷 弘樹(株式会社アビリカ)
- 星 悠大(株式会社アビリカ)
- 山下 剛(株式会社アビリカ)
- 中野 大人(株式会社アビリカ)
- 田村 斗唯(株式会社アビリカ)
- 天野 裕介(株式会社アビリカ)
- 西 百合恵(株式会社アビリカ)
概 要:
箱をスクエア包みで自動包装する装置.スクエア包みは化粧折りを施す包装方法であり、その工程の自動化は難易度が高い.しかし、三次元の曲面を有する治具をスライドさせることで化粧折りを施す機構を開発し、シンプルかつコンパクトな構造を実現した.また、箱に包装紙を密着させ、折り目を整えることで、贈答品にふさわしい美しい包装を可能にした.本装置の技術は、今後、複雑で繊細な工程の自動化への対応も期待できる.
2024年度功労賞
2024年度功労賞は,永年にわたり設計工学教育に従事され優れた人材の育成をもって設計工学の発展に寄与された功労を顕彰し,2025年5月24日(土)開催の通常総会(日本大学理工学部船橋キャンパス)にて贈賞式が行われ,下記受賞者に賞状が授与された.(敬称略)
- 山際 康之(東京造形大学)
2024年度秋季研究発表講演会優秀発表賞,学生優秀発表賞
2024年9月21日(土)~22日(日)北見工業大学工学部において開催された秋季大会研究発表講演会における講演聴講者の推薦投票結果に基づき,優秀発表賞3件,学生優秀発表賞4件が選定され,2025年5月24日(土),日本大学 理工学部 船橋キャンパスで開催された2025年度春季大会研究発表講演会技術交流会の席上にて贈賞式が行われた.(敬称略)
優秀発表賞
- 池田 圭吾(北海道科学大学)
講演:「磁気浮上システムを用いたアクティブシートサスペンションの開発(鋼板厚さが推力に与える影響)」 - 印南 信男(北海道職業能力開発大学校)
講演:「積層長方形板におけるBlended layerの隣接領域間繊維配向角度の影響」 - 中川 一人(日本大学)
講演:「加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)用スペーサーのセパレーターとしての効果」
学生優秀発表賞
- 石﨏 新太(東北大学・院)
講演:「拡大隙間に発生する流体負圧を利用した高摩擦ゴムトレッドに関する研究」
指導教員賞:西 駿明(東北大学・院)
指導教員賞:山口 健(東北大学・院) - 馬場 居仲(埼玉大学・院)
講演:「自動車のペダル操作シミュレータを用いた踏み間違い体験による安全運転に対する能力意識への影響の評価」
指導教員賞:楓 和憲(埼玉大学・院)
指導教員賞:綿貫 啓一(埼玉大学・院) - 渋川 亮裕(法政大学・院)
講演:「遠心圧縮機のサージングに関する研究(高速度カメラによる吐出し管出口付近の流れの可視化)」
指導教員賞:平野 利幸(法政大学) - 後藤 考兵(北見工業大学・院)
講演:「画像認識を用いた筋肉の動きによるロボット制御システムの開発」
指導教員賞:Abhijeet RAVANKAR(北見工業大学)
指導教員賞:Ankit RAVANKAR(東北大学)
2024年度 特集企画賞
本賞は2024年度より新たに制定され,当該年度の1月以降12月末までに本会会誌「設計工学」に掲載された特集企画のうち,設計工学に関する理解の増進並びに発展への貢献が顕著であると認められる特集の企画立案者に贈賞するものであります.特集企画賞に関する選考の結果,下記1件1名の方が選考され,2025年5月4日(土),日本大学 理工学部 船橋キャンパスで開催された2025年度春季大会研究発表講演会技術交流会の席上にて贈賞式が行われた.(敬称略)
受賞者(1):
杣谷 啓(大同大学工学部機械工学科)
特 集:
「積層造形により実現する高機能構造体」
巻 号 頁:
第59巻12号
2024年度 The Most Interesting Reading賞
2024年1月号から12月号に掲載された一般解説記事編から,The Most Interesting Reading賞に関する選考の結果,下記4件5名の方が選考され,2025年5月4日(土),日本大学 理工学部 船橋キャンパスで開催された2025年度春季大会研究発表講演会技術交流会の席上にて贈賞式が行われた.(敬称略)
受賞者(1):
- 園田 計二(ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ)
- 竹之内 和樹(九州大学大学院芸術工学研究院)
解説:
「歯車にまつわる温故知新(時代と共に進化続ける歯車の設計・加工・性能向上技術)」
巻号頁:
第59巻2号p.49-57
受賞者(2):
- 松尾 卓摩(明治大学理工学部機械工学科)
解説:
「ドローンによるインフラ設備の非接触AE計測のための高感度空中伝搬AEセンサの設計」
巻号頁:
第59巻4号p.147-151
受賞者(3):
- 長谷 亜蘭(埼玉工業大学工学部機械工学科)
解説:
「In situ観察・AEセンシングを駆使したトライボロジー現象の解析技術」
巻号頁:
第59巻7号p.301-309
受賞者(4):
水谷 正義(東北大学 グリーン未来創造機構 グリーンクロステック研究センター)
解説:
「金属積層造形による傾斜多孔質構造体の創成(根状多孔質構造体(RPS:Rhizoid Porous Structure)の提案とその応用)」
巻号頁:
第59巻12号p.583-589
2024年度 論文賞・奨励賞
論文賞・奨励賞は,本学会誌『設計工学』第59巻1号(2024年1月号)から第59巻12号(2024年12月号)までに掲載された論文19編を対象として,論文賞・奨励賞審査委員会(小林健一委員長)において慎重審議の上,規程に基づき推薦し,これを受けて理事会が決定した論文及び個人に対して2025年度通常総会(5月24日:日本大学理工学部船橋キャンパス)において授与されたものである.(敬称略)
論文賞
(該当者なし)
奨励賞

受賞者(1):喜井 大誠(大阪大学大学院工学研究科)
研究論文:「機能性と意匠性を兼備するトレッドパターンに向けたデータ駆動型最適化計算による設計法」
巻号頁:第59巻10号p.493-506
論文概要:
本研究では,トレッドパターンの機能性と意匠性を同時に考える設計問題に対する設計支援の枠組みとして,物理指標と感性指標からなる多目的最適化問題に対する最適化計算法を提案した.同計算法は,深層生成モデルを用いたデータ駆動型最適化手法とパレート最適解に対する深層クラスタリング処理から構成されている.タイヤトレッドパターンを題材とした数値例では,機能性を損なうことなく,意匠に優れた多種多様なパターンが得られた.

受賞者(2):久保田 竜太(徳島大学大学院先端技術科学教育部)
研究論文:「放電加工による穴内面への細穴創成」
巻号頁:第59巻12号p.597-608
論文概要:
著者らの研究室では,除去加工法では創成不可能とされてきた穴の内面を起点とする穴を放電加工により創成することを目的としている.これまでにこの目的を実現する装置を開発してきたが,創成できた穴の最小内径は3.1mmであった.そこで本研究では,内径の小径化すなわち細穴の創成を可能とする装置を開発した.実験の結果,穴の内面に対して最大/最小の内径が1.7mm/0.6mm,長さが26.0mmの細穴を創成できた.これにより開発した装置を用いて穴内面への細穴創成が実現できることを実証した.
『日本再生医療とリハビリテーション学会』 第 7 回学術大会 JSRMR2025 事前研究会「医工連携による再生医療×リハビリ×ロボット工学の最前線」
日時
2025 年 8 月 18 日(月) 14:00~17:00
場所
早稲田大学
喜久井町キャンパス 40 号館 1 階 102 室