JSDE/hk News
Letter No.001_H15.11.15
2003 JSDE / hk
発行 社団法人日本設計工学会北海道支部
監修 竹内 茂(支部長)、早坂洋史(幹事・HP委員)
・平成15年度事業 見学会
標記事業は平成15年9月と10月に行われました。概要を含め、会員の皆様にご報告申し上げます。
尚、見学前の会社紹介や見学中の説明は詳細に亘り、企業体・事業体はもとより、施設等をかなり身近に感ずることが出来ます。この点に関しましては、見学をご承諾して下さった企業・機関を始め、ご案内して下さった方には紙面をお借りして厚く御礼申し上げます。
第1回見学会 平成15年9月2日(火)13:00~17:00
1)
王子製紙株式会社江別工場
2)
北海鋼機株式会社本社・工場
当日は11名が、王子製紙株式会社 江別工場保安本部門前に集合し、見学会がスタートしました。当社の事業内容全体と江別工場の製造部門について説明を受けた後、工場見学に移りました。案内は施設部 伊藤副部長殿が担当し、使用済みの紙は再生されることが多いが、植林・伐採・再植林を繰り返すことで、地球温暖化の原因となるCO2が増える心配は無いとのことでした。この工場は富士製紙M江別工場として明治41年に操業を開始、王子製紙の起業地はサッポロビール園内と伺い意外さを感じました。江別工場では多品種にわたる特殊紙の生産をしていますが、ビート等の育苗に使用されるペーパーポット原紙の殆どはここで生産されるとのことです。広々とした江別工場敷地内に建設された工場は整理整頓が行き届いており、当社の世界に誇る技術に基づく製紙事業を存分に知ることが出来ました。液状の紙の原料が固形の紙になる様は感嘆物です。
当日2番目の見学先の北海鋼機株式会社本社・工場の見学では、河合氏と長内氏にご案内を頂きました。当社ではビルやマンションの間仕切りに多用される亜鉛鉄板や、カラー鉄板、また河川の堤防などに使われるPC鋼棒などを扱っています。
これらはいずれも建築・土木業界に左右されることが多い製品ですが、最 近は原料の鉄鋼が他の製品と競合することもあるそうです。当社も江別にあり、やはり広い敷地内に整然と生産ラインに沿った棟が並び、ゆったりとした環境です。工場内では亜鉛鉄板などが次々と作られ、ローラーに巻き取られていました。
第2回見学会 平成15年10月14日(火)9:00~15:00
1)
北海道立オホーツク圏食品加工技術センター
2)
北見東京電波株式会社
3) 北海道糖業(株)北見精糖所
当支部では殆ど行われていなかった、道央・道南地区以外での見学会で、1泊を要する見学会となりました。まず北海道立オホーツク圏食品加工技術センターの見学から始まりました。オホーツク圏(北網圏)の食品産業に先駆的な役割を果たさんがため、平成6年に開所しました。以降、タマネギ関連食品、水産業関連商品に数々のヒット商品を生み出しています。センター内にはガスクロマトグラフなど各種の検査機器や加工機器が、整然と配置されていました。
午前中2番目の見学先の北見東京電波株式会社は、水晶応用製品のトップメーカー東京電波株式会社のグループにあり、北見工場の他近隣の美幌および女満別にも工場を持つ企業です。当社グループでは人工水晶を作っていますが、「人工水晶の育成」と表現していたことは耳新しく感じました。安定的な周波数基準としての水晶製品は数々の電子機器にとって肝心なデバイスです。そのためでしょうか、殆どの製品が一品検査を受けていることも驚きであり、水晶に求められる高精度が伺えます。
写真1 人工水晶
昼食は一同、市内中華料理店で取り、食後には、北見地区見学会の最後の訪問先である北海道糖業に向かいました。当社は北見地区の他に道南と本別に製糖所を、他にバイオ工場や技術研究所を有し、国内産糖の安定供給を担っています。昭和43年に設立され、家庭用の上白糖やグラニュー糖を生産しています。見学日は時期的に今年度の製糖作業が始まった日でしたが、お忙しいところを森製糖課長のご案内で見学しました。近隣の製糖のビート作付け農家から運ばれた原料を洗浄裁断、砂糖を作る過程はコンピュータ制御で自動化され、工場の中には殆ど人が居ない状態でした。見学途中でビートの裁断片を口にし、果物のような甘さがないのには驚きました。
写真2 北海道立オホーツク圏食品加工技術センター
今回の北見地区での見学会には、遠く札幌を始め、室蘭、釧路からもご参加を頂いております。お忙しい中いらして下さった方々に、改めて御礼を申し上げます。
文責:支部幹事 菅原 記